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2009.03.31 ユニットバス ダイアリー149
古くはエジプト、メソポタミアの建造物にもその存在が確認されている文様。人類が歩んで来た長い歴史の中で、文様はそれ自体が生命を持つがごとく、長く茎葉を伸ばし世界中に広がってきました。その文様の歴史に欠かせないのがタイルを中心とした陶板です。 「一枚のタイルの物語」は今回が最終回。 その締めくくりとしてご紹介するのは『バーナード・リーチのタイル』です。
バーナード・リーチは、暮らしの中で使われてきた手仕事の日用品に「用の美」を見出し、活用する日本独自の民芸運動を推進したイギリス人です。日本で制作した陶芸作品も数多くあり、このタイルも彼が作った作品で、今は額装して保管されていますが、作家は決して額に入れられて飾るために作ったのではないでしょう。
タイルは、壁面を覆うことで建築物そのものの耐久性を向上させる役割を持ちながら、その機能美としての装飾性を兼ね備えたやきものです。リーチもまた、このタイルを壁面あるいは床面に用いるために焼いたものと考えられます。イギリスの教会の礼拝堂の床には実際に実用品としてリーチのタイルが使われているそうです。 タイルの歴史は、紀元前3000年以上前に遡ることができ、神殿などの装飾壁材としての使用がその原点と考えられています。ところが、近年の日本国内のタイルはその装飾性よりも、衛生や防火といった機能も含めた耐久性という性能が重視され、工業的に大量生産されることで普及してきました。機械による大量生産で安価に提供することが普及のために必要である一方で、その装飾性へのこだわりが犠牲になってきた感もあるのは残念なことです。このリーチのタイルを見ると改めて大量生産品には感じることのできない手仕事の良さを実感できます。手作りの作品が貴重なものになってきている現在、手作り品の中に我々は血が流れるものを感じその美を称賛し受け入れるのではないでしょうか。
最近では、取り壊しが決まった建物のタイル保存の声が上がることがあります。調べてみると、機械化が始まった頃に職人たちが苦労しながら制作したタイルも多く見つかります。職人たちの心がこもったタイルに多くの人が何かを感じ、保存したいと思うのかもしれません。これまで「一枚のタイル」シリーズで取り上げてきたタイルも、すべて建築素材としての役割を終えた後に、誰かが何かを感じ保存してきたものです。博物館に保管されるバーナード・リーチの思いのこもった手作りのタイルを見て、19世紀にイギリスでおこるアーツアンドクラフツ運動を思い出し、今後タイルが進む方向性に人の手間や思いを込めることを忘れてはいけないと改めて感じています
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